2008.11.23
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2006.01.25
「カオスのままに」柏木抄蘭/編集工房ノア/1999.9 ■あらすじ
亭主関白な夫。しかし、大黒柱にはなりたくなく、妻には稼いでもらわなくては困る。夫である自分が偉いのは当たり前で、妻は全面的に家計をささえ、自分の親の面倒も子供の面倒もみて当然である。自分は偉いので、妻や子供にはどんな暴言を吐いてもいい。そんな最低男が何度も登場する。妻が働けばいい。自分は好きなことがしたい。客に貢がせるホストのようにがんばりたくないし、ヒモのようにつくしたくはない。やりたい放題とも言えるこの男達の運命はどうなるのか。戦時中の出会いをお守りのような思い出にし、生きた女性の話もある。彼女を取り巻く人々はいい人たちである。そんな彼女の人生は悪くはないように思うが、人生の最終章ともいえる時期に迎えた再会で・・・。 ■書評 収録されているすべての話に共通する感想は、こんな人生嫌だ!!である。最後まで最悪の人生に救いはない。例え最後に主人公が笑っていたとしても、それは滑稽な自分を笑うものであったり、諦めのものであったりする。酷い人生物語集とも言えるがこの作品には「実際にあり得る」シチュエーションが多数散りばめられている「ああ、いるいるこんな人」と思う人は多いだろうし、実際に似たような体験をした人もいるかもしれない。被害者なのか加害者なのか、それとも人から聞いたくらいなのか。何れにしろ、これが人生の教訓本だとすれば、テーマは「人の振りみて我が振り直せ」しかないだろう。作品としてはかなり面白かったので、同じ作家の作品を探してみようと思う。今度はテーマが重くないものを。(笑) 2006.01.25
「蟲(ko)」加門七海/集英社/1996.8 ■あらすじ
蟲には、「蟲」「浄眼」「桃源郷」「実話」「分身」という5つの怪談が書かれている。怪談とはいっても、幽霊話ではない。そして、主人公は毎回別人。毎回必ず登場するのは、ある大学の教授のみ。民俗学が専門だが、講義はほとんど不気味なお化け話という、この教授だけが5つの物語の不気味な「秘密」をすべてを知っている。知識として。しかし、中心人物ではない。それぞれの話の主人公達は、皆一様に彼のもとを訪れるが・・・。現代の怪談ともいえるこの物語世界での彼の役割は? ■書評 本のタイトルにもなっている「蟲」から、呪い系の昔話を想像した。が、昔話でも、単なる恨み辛みの話ではなく、現代を舞台にした、心底気持ち悪いと思うような怪しい話、ホラーである。恨むという気持ちなどまったく出てこず、怪談実行中(?)のお方が一見もの凄く清らかに見える話もある。実行中のことが幽霊話を超えるグロテスクなホラーでも。いっちゃった人・・・怪談実行中の人を総称するならこう呼ぶしかない。これら、5つの怪談の中には執筆後の作者をも恐怖に陥れた作品があるらしい・・・勇気をだしてこの本を読み出したなら、6つめの怪談、「あとがき」もちゃんと読もう。最後までちゃんと怖いから。(笑)歴史研究に熱心なこの作者の作品には陰陽ものも多いが、基本的にハッピーエンドは少ない。(ないかも?)本作も好き嫌いはかなり別れると思う。 2006.01.24
レイアウトスタイルシリーズ/ピエ・ブックス/2005.11 ■内容
レイアウトスタイルというシリーズで、第一弾「目次のデザイン」、第二弾「タテ組 本文のデザイン」、第三弾の「キャプションのデザイン」まで出ている。 112ページで2.800円(税抜)。オールカラー。内容は簡単に言えばタイトル通り。それぞれの巻が、タイトルの、「目次」、「タテ組の本文」、「キャプション」に注目し、既刊の雑誌や会社案内、PR紙のデザイン例を紹介している。 ■書評 面白いといえば面白いが、目次はともかく、本文とキャプションなどは紹介作品が相互にカブっているものが多く、目新しさが減ってしまうとこは、ちょっと悲しい。テーマ別に振り分けているからショウガナイのかもだが。優れたデザインはページ丸ごと美しいので、3つのテーマを1冊にまとめてくれたほうがありがたい。でもって、シリーズに分けるなら、イメージでわけるとかね。 ひらめき系の本ではないので、すでにプロの人には向かないかもしれない。どっちかというと暇つぶしにパラパラめくりたい本。雑誌感覚?そして、今の分類のままなら、もう少し価格を落としてもらいたい。デザインのバランスを楽しむなら、雑誌並の紙でも十分だしね。 学生さんなど、勉強中の人にはそこそこオススメ。 |